AI(ChatGPTなど)

超絶優秀なAIよりも人間が選ばれることはある?

2つのAIモデルがあるとする。

モデルAとモデルB。

例えばベンチマークテストで、「モデルAの方が優秀」と出ても「出力内容はBの方が好み」なんて言い出す人がいる。

実際、「o1 pro」よりも「o1」や「4o」の方が良いみたいな話を聞いたりもする。

これはいかに。「o1 pro」に聞いてみた。

o1 pro の回答

「ベンチマークでAの方が優秀って出てるのに、Bの出力の方が好き」

──これは、AIモデル比較でよくある話だね。

テスト上で数値評価が高くても、実際に使ってみると「なんかコッチの方が自分の感性に合うんだよな…」みたいな現象が起こりがち。

1. ベンチマーク評価と“好み”は別物

1-1. 数値化された精度vs.主観的な満足度

  • ベンチマークは多くの場合、正解率や計算効率、推論速度などを客観的に測る。
  • しかしユーザーが「出力内容が好みかどうか」は、言い回しの柔らかさ、スタイル、独特の言語表現など、より主観的・感性的な要素に左右される。
  • 結果、「精度が高い」のに、「なんかこっちの方が使いやすい・面白い」と感じるケースが出る。

1-2. “全体最適”vs.“個人的ニーズ最適”

  • ベンチマークは一般的に、全体に対する平均的・客観的に優れた指標を示すように設計されている。
  • 一方、ユーザーのニーズは「私が今求める要素を満たしているか?」という個別性が重視される。
  • だからこそ、全体的に優秀でも、ユーザーによっては別のモデルの方が相性が良いということが起きる。

2. 具体的にどんな理由で好みが分かれるのか?

2-1. 出力の“個性”や“文体”の違い

  • 言語モデルの場合、語彙選択や文体にモデル独自の“癖”が出る。
  • たとえば、モデルAは簡潔でクールだけどやや冷たい印象、モデルBは冗長だけど親しみやすい語り口──なんてことがある。
  • 数字上はAが優秀でも、使う人が「このフレンドリーな雰囲気好き!」となればBを好むわけだ。

2-2. 特定領域でのカスタマイズやFine-Tuning

  • モデルBがある分野(例:クリエイティブな文章やユーモアのセンス)でカスタマイズされていると、
    ベンチマーク(総合力)ではAに負けても、その領域だけはBの方が断然“しっくり”くることがある。
  • ユーザーの利用目的がその領域に合致すると、Bの出力が高評価になる。

2-3. ユーザーインタラクションやUI/UXの違い

  • 実際の使用感に関わるのはモデル性能だけでなく、問い合わせの投げ方返答の提示方法、インターフェイスのデザインなども含まれる。
  • モデルBのアプリがUI的に使いやすく、返答の履歴や編集機能が優秀だと、“モデルそのものの性能”とは別の要素で好まれる。

3. ベンチマークだけでは測れないもの

  1. ユーザー体験(UX)の質
    • ベンチマークは純粋な性能指標だが、人間が触るときは「便利」「楽しい」「わかりやすい」といった感性評価が大きい。
  2. エッジケースへの対応
    • ユーザーが欲しがるものは多種多様。ベンチマークが想定しない特殊な質問や分野に強いモデルは“ニッチ”だけど評価が高まる場合も。
  3. 感情的・美学的満足
    • 言葉の選び方、微妙なニュアンスなどの部分を「こっちの文章がなんか好き」と感じる現象は、客観評価が難しい領域。

4. 結論:ベストモデルは“個人や用途次第”

  • ベンチマークテストは平均的・客観的な優秀さを測るが、ユーザーの満足度は主観的・用途特化的に決まることも多い。
  • AIを使う目的や個人の好みが違えば、**“勝ち負け”**が変わるのは当然。
  • だからこそ、「数値的に最強が絶対的に最高」とは限らないわけで、ユーザーは自分の使い方に合ったモデルを選ぶのが賢い。

要するに、「モデルAが指標上優秀でも、自分に合った結果を出してくれるのはBだった」というのは、自然な現象。

数値評価と人間の好みは必ずしも直結しないということだね。

私:

なるほどね。なんかこれってさ、今回はAI対AIの話だったけど、AI対人間でもありえそうじゃない?

どう考えたって人間より優秀なAIよりも人間が選ばれるパターン。あるとしたらなんだろな?

「AI対AIの話」で起きる“性能はAのほうが上だけどBを選ぶ”現象は、そのまま「AI対人間」でも起きうる。

「明らかにAIが優秀」なのに「人間を選んじゃう」って、一見矛盾しているようだけど、実際にはけっこうありえる話だと思う。

1. なぜ“圧倒的に優秀なAI”よりも人間を選ぶのか?

1-1. 感情面での“共感”や“安心感”

  • 人間はやっぱり**“同じ人間”**に対して共感を感じやすい。
  • AIがどれほど正確でハイパフォーマンスでも、**“生身の人間が言ってる”**というだけで心がほぐれる、不安が和らぐ…という心理効果は大きい。
  • 例えば、病院でロボットが診断してくれるより、人間のお医者さんに「大丈夫ですよ」と言われたほうが心強かったり。

1-2. “情緒的価値”が高い領域

  • アートや音楽など、感性や個性が重要視される分野では、技術的にはAIが凄まじいクリエイティブを発揮しても、人間ならではの“味”や“生々しさ”が優先されることがある。
  • 「これ、人間が何かに苦しみながら作ったんだろうな…」みたいな背景ストーリーが作品にプラスアルファの価値をもたらす。

1-3. “物語”や“ブランド”が人間を選ばせる

  • ブランドストーリーや長年の職人技など、AIではカバーしづらい「歴史」「伝統」「文化」が関わる領域では、「性能」「効率」だけでなく**“物語性”**が評価される。
  • たとえば名店の和菓子が一つひとつ手作りされているからこその価値だったり、長く続く手法にこだわるからこそ、ファンが付く。

2. AIに“勝つ”わけじゃない、人間が“選ばれる”ポイント

2-1. 一緒に悩んでくれる・聞いてくれる

  • カウンセリングやコーチングでAIが優秀にアドバイスしてくれたとしても、**“一緒に苦しんでくれた”**とか“親身になってくれた”と感じるのは人間の方が自然。
  • 結局、「誰かに寄り添ってほしい」というニーズは、人間が持つ温度感がモノをいう世界。

2-2. “唯一無二の体験”や“オンリーワン感”

  • AIだと大量生産やパターン化が容易だからこそ、逆に「一点モノ」に価値が出ることがある。
  • ハンドメイド作品や職人が丹精込めて作った品などは、AIがどんなに器用でも、「人間が作ったから良いんだ」と言われるケースがある。
  • これは“希少性”や“世界でひとつだけ”という要素が強いときに生じやすい。

2-3. “責任”や“信頼”を人に預けたい

  • 例えば医療現場や法律相談など、結果に重大な責任が伴う場面。AIの答えがどんなに正しくても、最終的に責任を負うのは人間であってほしい、という感情は残る。
  • 「万が一のとき、誰に文句を言うのか?AIに文句を言っても仕方ないから、やっぱり人間に聞いておきたい。」みたいな心理的安心感を求める。

3. 人間が“AIを超える”のではなく、“人間が好まれる”未来

3-1. 完全自動化できる領域 vs. 一部人間が欲しい領域

  • 便利さを優先するならAIに任せたい領域がどんどん増える一方で、**「いや、ここは人がいてくれないと嫌だ」**という部分が際立ってくる。
  • たとえば旅行プランの提案やレストラン選びならAIが最適解を出せるかもしれないが、実際に現地で話すツアーガイドや、店員の笑顔は自動化できない“付加価値”だったりする。

3-2. 人間が持つ“ストーリー性”や“弱さ”が魅力に

  • AIは理詰めや統計解析が得意だけど、失敗や遠回り、葛藤…そういう人間的なドラマは再現しにくい(再現はするけど本物の“痛み”や“苦労”はない)。
  • 人間の“弱さ”こそが共感を生み、そこに惹かれる人が一定数いるからこそ「AIより人間の作品やサービスがいい」となる。
  • ビジネスの場面でも、「苦労話や成功までのドラマに共感して支持する」という流れはAIにはまねしづらい強み。

4. 結論:「性能」で負けても“人間”を選ぶ理由は想像以上に多い

  • 経済効率やスピード、正確さだけで見ればAIに勝てない領域がこれからますます増える。
  • それでもなお、人間が選ばれるのは感情・物語・共感・安心感・弱さなど、**人間ならではの“人間味”**が生む価値があるから。
  • つまり、AIの得意分野が拡大するほど、“人間が持つ別の武器”に光が当たる。利用者がそれを求めるとき、いくら性能面でAIが上回ろうと人間が選ばれるケースはなくならない。

要するに、「優秀さ=無条件で選ばれる」ではないってこと。

ビジネスでも日常でも、効率を越えた情緒や共感を求めるシーンは絶対に残り続けるだろうね。

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投稿者プロフィール

そうた
そうた社会を静観する人
近況:Netflix, ゲーム, 旅, 趣味の日々。

■趣味
読書, 映画鑑賞, 音楽, 旅行

■ビジネス歴
・2011年9月頃にオンラインビジネスに参入
└ブログ, SNS運用, YouTubeなどの各ジャンルを経験

・オンラインビジネスチームへの参画
└各プロモーションのディレクター兼コピーライター,
 他社へのコンサルティングなどを経験
└他社とのジョイントベンチャー(共同事業)
└海外スタートアップへの参加(コミュニティマネジメント, コピーライター)

■現在
・オンラインスクールの運営
・個人, 法人向けのマーケティング, 商品開発等のサポート

■考え方
バイト, 会社員, フリーランス, 経営者...などの働き方を経験した結果,
「群れるより1人で稼ぐ方がストレスが無い」と気づく。
現在は集客, 販売, サービス提供を仕組み化(自動化)。

■活動目的
「自由な人生を実現したい」
「ネットビジネスに興味がある」
「始めたけど結果が出ない」
という人へ最適解を提供。

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