■まえがき
以下の文章は、AIについて取り扱っているが、決して、AI礼賛の意図で書いているわけではないことを、ここに記す。近年の動向から、帰納的に導き出せる状況をまとめたものとなっている。
プロローグ
「この現状ってさ、目の前に大量の札が落ちてるようなものだよ。僕はそれをショベルカーで回収するだけさ」
そのセリフを聞いたのは2015年。
もう年の瀬も見えてきた11月末、新規案件の打合せとランチを兼ねて、丸の内のペニンシュラで会食した時だ。
すでにセミリタイアして、基本は海外を旅行する生活。
ビジネスは「暇つぶし」で嗜んでいたその人は、そう言ってのけた。
未熟な私には意味がわからなかった。
そんな怪しい代物に、価値を保証する後ろ盾がよくわからない代物に、よくそんな大金を投じられるなと思った。
なんなら少し憐れんでいた。
お金を持ちすぎておかしくなったのかと。さすがにポンジ(詐欺案件)だろうと。
あれから約10年、その怪しい代物の価格相場は確認時点で1,400万円を超えていた。
最初はピザ1枚買えるか買えないかのレベルだったのに、今となっては、ちょっとした高級車1台ならお釣りがくるレベルだ。
私はその波には乗れなかった。
そして、あれから種々の修羅場を経験して現在に至ったうえで、言えることがある。
近年のAIを取り巻く現状は…
「目の前に大量の札が落ちてるようなものだ」
ということ。
混沌, Chaos
子猫の鼻先に蝶が留まり、羽を広げている動画が、スクロールしていた指を止めた。
なんとも微笑ましい映像だった。
よくある「ほっこり動物映像」と、私の脳はなんの疑いもなく処理した。
しかし、コメント欄を見て、感情が少し迷子になってしまった。
「これをAIと見抜かなければならない。これが令和のネットリテラシーか…」
そう。その動画はAIが作ったものだった。
思考停止で画面をスクロールしていたら気づくことはなかっただろう。
子供が妖怪に変身する動画ならまだしも、「この世界で実際にありそうなシーン」をそのまま出されてしまったら、百発百中で見抜く自信はもう私には無い。
AIはすでに、「不気味の谷(現実とバーチャルの境目)」を突破した。
実物(現実)と脳が認識できるだけの画像(写真)、映像を生成することは意図も容易い。
AIとリップシンク(映像やアニメーションなどで、口の動きと音声を合わせる技術)を組み合わせれば、有名人が絶対に言わない反社会的な暴言を吐かせる「証言映像」を作ることも可能だ。
これからは、目に入る情報(映像、音声、動画)に関しては、「これはAIか?」なんていちいち疑う必要が出てしまった。
こんなにも早く、写真も動画も、証拠になり得ない時代が来るなんて、誰が想像できただろうか。
不可逆, Irreversible
それはまるで、河口に向かう川の流れのように、全てを飲み込んで進んでいく。
人類の社会構造の隙間に入り込み、じわじわと浸透し、今ではあらゆる分野でその姿を見かけるようになった。
一度、私たちの生活に組み込まれたAIはもう後戻りできない。
いや、正確に言えば「戻らない」というべきか。技術が前に進む以上、それを捨て去ることは人間の本能に反する行為だ。
利便性を一度手にしたら、それなしで生きることなどもはや耐えられない。
「火」を手にした人類が、100万年以上経った今も手放していないように。
AIが自動化したQAチャット、メールの返信、交通機関の運行管理、そしてコンテンツの作成。これらを「手作業」に戻せと言われたら、どれだけの時間とコストが無駄になるのだろうか?
AIで便利になったものを、人間の手に戻す。
それはもう、「現代で馬車を使い続ける」と言っているようなものだ。
周囲の車が猛スピードで走り抜ける中、ひとりだけ時速20kmの馬車で進むようなもの。いや、それすらも優しすぎる例えかもしれない。
AIを使わないのは、現代ではもはや「歩く」に等しい。
AIの浸透は不可逆。人類の未来に埋め込まれた「絶対的な進化の構造」だ。
敗者, Loser
冷たい現実を突きつけるようだが、はっきりと言おう。
AIを使わない選択をすることは、あえて自分の手足を縛るようなものだ。競争の場で戦うことを放棄する行為に等しい。
かつて、電気が産業を変えた。
インターネットが情報の流れを変えた。
金融工学が富の流れを変えた。
そして今、AIは仕事の効率化や知識の獲得速度を次元ごと変えようとしている。
すでに目の前には、あらゆる知識、技術、機会が「AI」という窓越しに差し出されている。
私たちはその窓を開けるだけで、欲しい情報が飛び込んでくる状況にいるのだ。
答えを探すために、図書館を巡り、膨大な時間をかけて調べ物をする必要はない。AIは一瞬で解決の糸口を示してくれる。
もはや問題は「手に入れられるか」ではない。「使うか使わないか」だ。
だから、使わないという選択肢を取った者たちは、どんな結果を迎えるのだろうか?答えは明白だ。競争から脱落し、富の移動に置き去りにされる。
「AIを使わない自由」という言葉を耳にすることがある。
しかし、それは「インターネットを使わない自由」や「電気を使わない自由」と大差ない。ただの不自由だ。
私から見れば、「ラスボス」を前にして、初期装備あるいは「装備なし(素手)」で戦っている物好きにしか見えない。つまりセオリーではない。
ビジネスの世界では、AIがもたらす効率化や生産性向上はもはや必須の武器となっている。
AIは単に便利なツールではなく、競争のルールそのものを変える存在だ。
AIを使わないことは、あえてハンデを背負って戦場に向かうようなものだ。敵が最新鋭の武器を使っている中で、竹槍一本で戦おうというのか?
今やAIはあらゆる分野で武器を提供している。
マーケティング、執筆、動画編集、プログラミング、分析、教育、そしてクリエイティブの世界でも。
AIを活用すれば、一晩で市場動向を解析し、膨大なデータをもとに意思決定をサポートするツールを作れる。
それでも使わない選択肢を取るというのなら、それはただの怠慢でしかない。
機会, Chance
そして、AIは今や全ての人間の目の前に平等にチャンスを提示しているのだ。
もう「情報にアクセスできない」という言い訳は通用しない。
世界中の知識やノウハウは、AIを通じてわずか数クリックで手に入る時代だ。
今、全ての人間の目の前に、あらゆる知識、技術、機会が並べられている。
そして、AIはそれらを活用するための鍵だ。だが、その鍵を手に取るかどうかは、その人次第だ。
とはいえ、あえて使わないなら、扉の前でただ立ち尽くし、チャンスが目の前で蒸発するのを見送るだけだなのだが…。
大移動, Move
この時代において、AIを活用するか否かは、個人や企業、果ては国の間での「富の大移動」を生み出す起点となる。
AIを使いこなす者は、これまで想像もできなかったスピードで利益を得られる。
一方で、使わない者は、既得権益にしがみつくしかなく、気づいた時には足元の基盤が崩れている。
かつて産業革命が起こったとき、蒸気機関を取り入れた企業が莫大な富を得た一方で、拒んだ者は市場から消え去った。
インターネットが普及した時代も同じだ。オフラインだけで勝負を続けた企業は淘汰され、オンラインビジネスを先に取り入れた企業が時代の覇者となった。
同じことがAIでも起きつつある。ただし、今回はそのスピードが圧倒的だ。
今、世界規模で見れば、「AI時代の覇権争い」が始まっている。
AIを用いた自動化、分析、予測で市場を制する者が次々と現れ、それに追いつけない者は次第に埋没していく。この流れは加速しこそすれ、止まることはない。
ゴミからゴミへ, GIGO
AIの希望ともいうべきか、脅威ともいうべきか、そんな話をしてきた。ただ、安心していい(?)。
AIは万能ではない。賢いように見えても、結局は人間が与えた「情報の質」によって結果が変わる。
つまり、ゴミのような情報をAIに与えれば、出力される答えもまたゴミとなる。
(ある程度使うと分かってくるが、AIは意外と、こちらの言うことを聞かない)
これを「ガーベージ・イン・ガーベージ・アウト」という。
要するに、AIが出力する答えの良し悪しは、全て使う人間の知識と「問う力」にかかっている。
AIを「道具」として正しく使いこなす人は、その結果をもとに新しい価値を生み出すことができる。
だが、何も考えず、ただ「使えばどうにかなる」と思っている人は、AIを活かしきれない。
つまり、AIを導入したからといって、全員が成功するわけではない。
「使う能力」がなければ、AIも無力だ。だからこそ、今のうちに「知識」と「スキル」を鍛えておくべきなのだ。
…。まさかとは思うが、この一文を見て、
「なんだ、AI使えないじゃん」
と頭の悪い思考になる人がいないことを祈る。
AIは万能ではない。それが何だ?完璧じゃないから使わない?そんなこと言ってる暇があるのか?
ガーベージ・イン・ガーベージ・アウト。
それを避けるには、繰り返すが使う側の知識とスキルが必要だ。
使いこなせる人間が勝つ。AIはまだ、人間を超える存在ではない。ただの道具だ。それをどう使うかは、あなた次第だ。
でも、使わない奴はその「道具」を持つ者に勝てるわけがない。
ゴミしか出力しない?その通りだ。だが、それは誰のせいだろう?
敗者, Loser-2
現実を直視しろ。AIを使わない人間に未来はない。
AIを使わない者たちはどうなるのか?答えはシンプルだ。競争に負け、世界から消される。
かつてスマートフォンの登場時、「私は携帯電話で十分」と言い張った人々は、今どうなった?
すべての情報がスマホで完結する時代に、時代遅れの道具を持ち続けた結果、そのまま時代から置き去りにされた。
今、AIを使わないという選択をした者たちも、同じ末路を辿る。取り残されるだけでなく、社会から「いないもの」として扱われる日が来る。
ここまで言っても、AIを使わない選択肢を取る人間がいる。
そうした人々は、この社会で次第に埋没していく運命にある。使わないことで情報格差が広がり、その格差は富や地位の差に直結する。
最初は「少しの遅れ」かもしれない。
しかし、その遅れは次第に取り返しのつかない差に膨れ上がる。AIを使う者は指数関数的に成長していくのに対し、使わない者は緩やかに、しかし確実に取り残されていく。
生物→サル→ひと→新人類, new humans
「AIに過去問を分析させて、出題傾向順に予想問題をパターン別に作成しました」
これは学校の教師や予備校講師の話ではない。
海外に留学している、ある日本人高校生の話だ。
思考とAIの融合はすでに、選択した人には年代を問わず起きている。
こうして、新たな「新人類」が誕生する。
それは、AIを手足のように操り、社会のあらゆる領域で成果を上げる者たちだ。彼らは、もはや従来の人間とは異なる進化を遂げている。
その新人類に対して、使わない者は旧世代として埋没していく。この構図は避けられない未来だ。だが、その未来を受け入れるか否かは、今を生きる我々次第だ。
AIという「脳拡張装置」を使うか、使わないか。その選択が、次の時代を生き抜く鍵を握る。あなたはどちらを選ぶだろうか?
エピローグ
AIの波は止まらない。この不可逆な流れの中で、私たちが問われているのは「どちら側に立つのか」ということだ。
AIを使いこなし、新しい時代を切り開くか。それとも、変化を恐れ、取り残されるか。
選択肢はシンプルだが、その結果は天と地ほどの差を生む。どちらを選ぶのかは、あなた次第だ。
だが、覚えておいてほしい。AIを使わないという選択は、もはや「選択肢」ですらないのだから。
ChatGPTを起点に始まってしまった革命から2年弱。
今から手をつけるとしても、「アーリアダプター(新規参入者)」の席で立ち回ることができる。
良くも悪くも、情報が錯綜している状況だ。冷静な目を持って、かつ、自身のスキル磨きも怠らず、この時代に食いついて欲しい。
ところで、本文で取り上げた「富の大移動」という言葉。
この言葉が使われ始めたのは、AIが登場するずっと以前のことだ。
直近の記憶に残っているのは、「暗号資産(仮想通貨)」が世界に広まった時期だろうか。
あれは目に見える形で、まさに「富の大移動」が起きていた。
各国の法定通貨が兆単位で暗号資産へ書き換えられたのだ。
目の前で富が流れ去る瞬間を目撃した人も多いはずだ。
ただ、あの時の「移動」は、わかりやすくも残酷だった。結局のところ、富を得られたのは最初にリスクを取った一部の人間、もしくは余剰資金を持っていた富裕層だけだった。
暗号資産の価格が数万円だった頃ならまだしも、気づいた時には既に「オイシイ話」は終わり、一般人に降り注ぐのは暴落リスクと、「安く買える時に、もっと早く動けばよかった」という後悔だけ。
いつの世も、富は先に動いた人間の手に握られる。
それが現実だ。だが、AIの登場は、この構図を根本から覆す可能性を秘めている。
たとえば「ChatGPT」を例にとってみよう。
これを使うのに必要なのは、初期投資でも大金でもない。
ただ、インターネットに接続できる環境だけだ。
無料で利用することができ、しかもその中には、これまで数百万円以上払わないと学べなかった知識やスキルが詰まっている。
無料で、人類史上かつてない「知識」「スキル」「ツール」を手にできる時代が到来したのだ。
暗号資産の「富の移動」は、どうしても資本力のある人間に偏る構造だった。
しかし、AIは違う。AIは全員に等しく、無制限の機会を与えている。もはやスキルの有無も、学歴も、過去の成功や失敗も関係ない。
無料でアカウントを開設して、「使うか使わないか」だけの時代が到来している。
そう考えると、これは真の意味での機会の平等ではないだろうか?
もちろん、先述の通り、インターネットに接続していることが最低条件だが、こうしてこの文章を読んでいるなら、それはクリアしているはずだ。
つまり、今この瞬間からだって、あなたにも新たな富の大移動に加わるチャンスがある。
ただし、それはAIを「使う側」に立った場合の話だ。使わないなら、どうなるか?その答えは簡単だ。
本文で見たように、AIを使って富を掴む側の人間の後ろで、指をくわえたまま取り残されるだけだ。
■追伸:ビジネスを自動化するための無料講座
「ネット集客と販売を自動化するなら, 最低限これだけは知っておきたい」という内容を1冊の教科書としてまとめました。
また, 最近のAIの台頭を受けて, これをどう捉え, どう使うかといった内容も加筆しています。
投稿者プロフィール
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近況:Netflix, ゲーム, 旅, 趣味の日々。
■趣味
読書, 映画鑑賞, 音楽, 旅行
■ビジネス歴
・2011年9月頃にオンラインビジネスに参入
└ブログ, SNS運用, YouTubeなどの各ジャンルを経験
・オンラインビジネスチームへの参画
└各プロモーションのディレクター兼コピーライター,
他社へのコンサルティングなどを経験
└他社とのジョイントベンチャー(共同事業)
└海外スタートアップへの参加(コミュニティマネジメント, コピーライター)
■現在
・オンラインスクールの運営
・個人, 法人向けのマーケティング, 商品開発等のサポート
■考え方
バイト, 会社員, フリーランス, 経営者...などの働き方を経験した結果,
「群れるより1人で稼ぐ方がストレスが無い」と気づく。
現在は集客, 販売, サービス提供を仕組み化(自動化)。
■活動目的
「自由な人生を実現したい」
「ネットビジネスに興味がある」
「始めたけど結果が出ない」
という人へ最適解を提供。
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