経済・社会

最近の子どもたちが幼い?Z世代がヤバい?従来の常識が揺らぐ新時代

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「最近の子どもたちが幼い?」「Z世代がヤバい?」そんな声が増えてきた

いつの時代でも、大人たちは「最近の若いもんは…」とこぼす。それこそ、数十年前の昭和だって「戦後生まれは根性がない」「ゆとり教育が云々」と言われていたし、ゆとり世代だって同じように扱われてきた。ところがここにきて、教育現場に携わる人々や企業の採用担当者が「前とはちょっと違う」と首をかしげている。

  • 子どもたちがやたらと“幼い”
  • Z世代(20代前半くらい)が非常識な感覚を持っている

ネット上でもそんな話題がポロポロ出てきて、にわかに注目を集めている状態だ。ひと昔前は「小中学生なんてそんなもんでしょ」「社会人1年目は右も左もわからなくて当然」みたいに処理されてたのに、なぜ今さらそんなことがクローズアップされているのか?

本記事では、教育者やビジネス現場の採用担当者らが実際に感じている「最近の子どもの幼さ」「Z世代の価値観のズレ」について、まずはザックリ実態を整理する。そして、その背景に何があるのかを掘り下げる。さらに、「昔からある“若者批判”とどう違うの?」という点や、「こういう変化はむしろ必然じゃないのか?」という視点もまじえて考えてみたい。

結論から言えば、「最近の子どもや若者がほんとに幼くなった、もしくは“ぶっ飛んでる”のか」は、見る側の変化社会環境の変化のダブルパンチだろう。だが、それだけでは語り尽くせないものがある。世代間ギャップを面白がりつつ、どう対処すればいいのかを考えるのが、本記事のゴールだ。


【第1章】教育現場で起きている「幼さ」の加速

◇1-1. 子どもたちがやたらと幼く感じる具体例

まずは教育者の声を俯瞰してみよう。中学校の先生をはじめ、小学校や高校の教員がSNSでぼやいているのは、こんな感じだ。

  • 敬語がまったく使えない
  • 何かあるとすぐ泣く、落ち込む、癇癪を起こす
  • 身体的距離が近く、相手の都合を考えずにベラベラ喋る
  • 場の空気が読めない(読まない?)
  • 整理整頓ができない、靴ひもも結べない
  • 反抗期というより「親に甘える期」が長引いてる?

こういった特徴は「昔から一部の子にはあっただろ」というツッコミもあるだろう。しかし、先生たちいわく「こりゃ最近は“その数”が増えてるぞ」とのこと。学級崩壊の話も以前より耳にするし、コロナ禍の3年で加速した感があるのは確かだ。

◇1-2. コロナ禍でコミュニケーション機会が激減

とくにこの3年ほどは、マスクや黙食で人の表情を読み取る機会が激減した。友達とわいわいふざけ合うことで学ぶ「空気の読み方」「自分の感情をコントロールする術」が育ちにくいのも当然かもしれない。

  • コロナ禍の小1や中1は、入学式からずっとマスクが当たり前
  • 給食時間も黙食が基本で、コミュニケーションを計る場がなかった
  • 行事やイベントが中止続きで「協力して何かを成し遂げる経験」不足

大人でもテレワークだらけで人と会う機会が減って「社会性が落ちたかも」と感じる人がいるくらいだ。発達段階にある子どもにとっては、その影響は何倍も大きいだろう。

「靴ひもを結べない」「果物の皮をむけない」なんてのは、家庭で普通にやれば自然と身につく生活力でもある。ただ、親が忙しかったり、過保護で何でもやってしまうケースが増えれば、子どもが体験的に学ぶ機会を失う。すると、「身体的にも、社会的にも、なんか成長が追いついてない」という姿が増えるわけだ。

◇1-3. 親の多忙や周囲の厳しさが“過保護”を加速?

もうひとつ指摘されるのは、親世代が共働き当たり前になり、時間的余裕がないこと。子どもを一人で公園に行かせるだけでも「放置子だ」と非難される現代の風潮も手伝って、子どもの行動範囲が狭まっている。転んで大怪我しそうな遊びはNG、近所の人に文句を言われそうな場面はNG…と、リスクを避けるうちに、子どもは失敗や挑戦を通じた学びの機会を奪われている。

親がどこかで「これぐらい自分でやれ」と突き放すか、周囲が「あの親、放置しすぎじゃない?」と叩くか。現代はデリケートすぎて、なかなか突き放せないまま子どもが成長してしまう。結果、「やってもらうのが当たり前」「指示されるまで何もしない」「気に入らないことがあると感情でぶつける」という子も、一定数は出てくるんじゃないか。


【第2章】ビジネス現場が驚く「Z世代の常識破り」

◇2-1. 採用担当者が直面した衝撃の面接エピソード

これは教育現場とは別の文脈。「Z世代の若者が信じられない行動をとった」という話だ。SNS運用会社の採用担当によれば、Wantedlyで応募してきたZ世代のある人物が正社員志望と言いつつ、「今、自分は同業他社で業務委託契約を持っている。そちらと並行で働いてもいいですか?」と堂々と言ってきたという。

採用担当は「同業他社はヤバいでしょ…」「情報漏洩とかリスク考えてないのか?」と困惑。本人は悪びれた様子もない。SNS界隈だと副業が一般化しているとはいえ、競合と掛け持ちするなどタブー中のタブーに思う人も多い。

これを「Z世代は狂ってる」と嘆く声もあれば、「いや、昔からそういう人はいた。たまたまだろ?」という声もある。会社の飲み会を“悪”だと断言する若手なんてのは、正直ちょっと前からチラホラいたしな…というわけで、ここでも「世代論で片付けていいの?」という疑問が出る。

◇2-2. 同業他社を掛け持ちする価値観とは

なぜ、そんな行動に出るZ世代が存在するのか。たとえば飲食アルバイト感覚で「サイゼとガストのバイトを掛け持ちする」ようなノリで考えている可能性がある。SNS運用会社なんてたくさんあるし、ちょっと業務内容が違えば競合しないと思い込んでいるのかもしれない。

また、ネット社会ならではの「会社への忠誠心なんてとくにない」「自分のスキルを最大化するためにマルチに働くのがカッコいい」という風潮があるのも事実。グローバルで見れば、職を掛け持ちして複数の収入源を確保するのが新しいワークスタイルだとする考え方もある。だけど、同業他社まで掛け持つとなると企業側としてはリスクが大きすぎる。
「競合の企業で働くってことは、お互いのクライアント情報やノウハウが漏れかねないし、将来不満を持ったら全部持っていかれる可能性もある」──そりゃ普通は警戒するよな、という話。

◇2-3. 実は個人差? それとも環境の影響?

Z世代すべてがそうかというと、当然そんなことはない。むしろ常識的で気が利く若者も山ほどいる。単に、世代論として「最近のZ世代はイカれてるぜ」と言いたくなるのは、いつの時代も目立つ少数派の非常識が「若者像」として映るからだろう。企業側も「うちの応募者はレベルが低い」と嘆くなら、募集の打ち出し方や給与水準、条件がどうなのかも自省しないといけない。

ここでも結局は「一部の目立った若者の非常識エピソードが、その世代全体を語る決め手になってる」という構図が見える。だけど、同時に**「企業へのロイヤリティが低い」「自分を優先してしまう」**若者が増えてる印象は拭えないし、それはコロナ禍やネット文化の影響もあるかもしれない。


【第3章】共通する要素は「従来の常識が揺らぎ始めた」こと

ここで前半(教育現場)と後半(ビジネス現場)の事例を並べてみると、全然別の世界の話のように思えて、実は**「社会性を身につけないまま成長しちゃってる子や若者が増えた」という点で共通**している。ある意味、「靴ひもも自分で結ばない子が、そのまま大人になったら同業他社掛け持ちを当たり前のように要求するかもしれない」って、ブラックジョークみたいな構図だ。

◇3-1. “空気を読む力”が育ちにくい時代背景

  • リアルな場でコミュニケーションする機会の減少(コロナ禍で加速)
  • 親や社会が過剰に介入し、子どもが自分で試行錯誤する機会が減少
  • ネット文化で「自分がやりたいことを最優先してもいいじゃん」という情報ばかり目に入る

空気を読む力は、ぶっちゃけ「実地経験でしか磨かれない」。誰かに怒られたり、周りから浮いて恥をかいたり、そういう小さな痛みの積み重ねが「ここはこう振る舞ったほうがいいんだな」という学びにつながるのに、何でも周りが助けてくれるし、ミスしてもオンライン上で済んでしまう。「俺がそれでいいと思ってるんだからいいじゃん!」と言い張りがち。
結果、「TPO」が通じないように見える若者や子どもが目立ってくる。

◇3-2. ビジネスの世界でもロイヤリティ神話が崩壊

昭和以前は「会社に就職=終身雇用」という空気が強かった。会社に尽くすのは当たり前で、飲み会も業務の延長。おかげで昇進やボーナスがついてきたわけだ。ところが現代は大企業でもリストラはあるし、副業を解禁する流れも進んでいる。
すると「会社への忠誠心を持つなんて古いんじゃね? 自分を守れるのは自分だけ。収入を分散したほうがリスクヘッジになる」と考えるZ世代が出てきても不思議じゃない。そこに「同業他社はまずい」という社会人の基本ルールを知らなかったり、知ってても「なんで? 自由じゃん」と軽く思ってたりする人が出る。

まさに「従来の常識が通じにくい」現状が社会のあちこちで起こってるわけだ。


【第4章】「昔の若者批判とどう違うの?」という疑問

「いやいや、若者批判なんて昔からあるだろ。『ゆとり世代は礼儀がなってない』とか、江戸時代でも“最近の若い侍は…”って言ってたくらいだ」と思う人も多いはずだ。確かにそのとおりで、若者批判は人類の宿命と言ってもいい。でも今回の“幼さ”や“常識破り”は、それと同じレベルの話なのか?

◇4-1. ただの世代論には収まらない変化

  • コロナ禍のような世界的パンデミックで世の中が激変
  • デジタル社会化で「働き方の多様化」がかつてないほど進行
  • 親の仕事も多忙を極め、子どもの生活習慣に介入しすぎ or 放置しすぎ

こうした要素は明らかに以前とは違う。言ってみれば、過去の「最近の若いもんは…」よりも、もう少し根源的にコミュニケーションの形が変わってきてる可能性があるわけだ。マスク一つとっても、たかがマスクと言えど子どもの成長における影響はバカにできない。

  • 表情から感情を読み取るプロセスを子どもが経験しにくい
  • 行事や部活が制限された3年間が発達段階と重なってる

そこに加えて、SNSが当たり前すぎて、リアル空間でわざわざ礼儀や敬語を重んじる必要を感じていない若者もいる。
たとえば、TwitterやTikTokやってれば全国に友達感覚で絡めるし、わざわざ同級生や先輩に「敬語使わなきゃ」とは思わない。むしろ「敬語使うとかダサい」なんて空気があるかもしれない。その空気が成長後のビジネス現場でも持ち込まれ、「うちは副業OKですか? 競合とか細かいこと気にしないでほしいんですけど」と言ってしまうわけだ。

◇4-2. 大人側の“老い”や“情報過剰”も影響か

もうひとつ、教育者の言葉で「自分が年をとっただけかもしれない」という自戒もあったように、大人のほうが感覚的にギャップを大きく感じやすいのも事実。
さらにネット社会では、非常識なエピソードがすぐ拡散されて「この世代はやばい」とバイアスがかかりやすい。アンテナが張りめぐらされているせいで、昔なら目に入らなかった特殊な事例がすぐ「これが若者だ」みたいに広まっちゃうんだ。

「教育崩壊」「世紀末」なんてワードは昔から定期的に使われてきたが、SNS時代はそのネガティブな話題がより強力に拡散される傾向がある。だから、一度「Z世代=非常識」という印象を持つと、それに合致した情報が続々と目に飛び込んできて「やっぱりZ世代はヤバイ!」と確信してしまう。もしかしたら、昔に比べてやばい度合いがそこまで増えてるわけでもないのかもしれない…が、そう感じさせる環境がある。


【第5章】子どもや若者の“幼さ”にどう対処すべきか

ここまで話を俯瞰すると、「子どもが幼い(社会性が低い)まま育ちやすい時代背景」や「企業に対するロイヤリティが薄れるZ世代の特徴」は、どこか必然的でもある。じゃあ、大人はそれを嘆くばかりでどうするのか?

◇5-1. 教育現場:痛みや失敗を経験させる勇気

子どもが自立していくためには、ある程度の痛みや恥の体験が不可欠だ。転んで失敗して、そこで人の気持ちに気づき、敬語を学ぶ。よくある話だが、それをやる前に周りの大人が何でも先回りして助けてしまうと、子どもはマナーを学ぶチャンスを失う。

  • 靴ひもが結べなきゃ、遅刻して困るのは自分。
  • 果物の皮がむけなきゃ、その果物を食べられない。
  • 汚い言葉遣いで周りを不快にさせれば、友情が崩れるかもしれない。

そうやって痛みを味わいながら学ぶのが人間なのに、現代は「危ない」「かわいそう」「めんどくさい」といって大人が代わりにフォローしがちだ。
もちろん、今の社会は危険も多いし、人目も厳しいから放任しづらいのはわかる。だからこそ、大人側が少し意識して「ここはあえて見守る」「どこまでなら挑戦させてOKか」を定めておく必要がある。
軽いケガや失敗はむしろ成長にとってはプラスなのだと知るだけでも、子どもを突き放す勇気が持てるんじゃないか。

◇5-2. ビジネス現場:新人教育もコストと割り切る

Z世代が競合他社掛け持ちを平気で言ってくるなら、そもそも「それが非常識だ」と知らない可能性も高い。大前提として「業務委託で得た情報を漏らすことは、企業としてリスクが高すぎる」「秘密保持義務がある」という社会のルールを、きちんと説明するしかない。
つまり、昭和的には「そんなの当たり前だろ」で済む部分を、いまは“ゼロから教育する”覚悟が必要ということ。企業によっては「バカバカしい」と思うかもしれないが、それが現実だ。

副業を認める企業は増えていても、「競合はNG」というようなルール作りが曖昧だと、こういう誤解が起こる。だから、面接時に「うちは副業OKだけど、こういう条件を満たしてね」としっかり伝える必要がある。あいまいなまま「世の中の常識を知らない若手は困る」と愚痴っても始まらないわけだ。
要は、最近の若手はみんな“常識”を教わってるとは限らないから、「うちに合う人にはこうしてほしい」と具体的に示す。それを手間と見るか、育成のチャンスと見るかは会社次第。

◇5-3. 世代間ギャップは「人それぞれ」と割り切る

どうしても世代ごとに特徴や傾向はあるが、結局は人による。教育者が嘆く子どもの中にも、礼儀正しくて空気も読める子はいるし、競合他社に堂々と応募する若者がいても、それを見て「ありえない」と断固否定するZ世代もいるだろう。
「最近はこういう傾向がある」と知っておくのは大事だが、みんながみんなそうだと思い込んでしまうと、無用のトラブルを招く。
「何か変だな」「これズレてるんじゃないか?」と感じたら、相手に聞いてみる、説明を求めてみる。「昔なら当たり前だった」は通用しないんだから、対話で理解を深めるしかない。


【第6章】似た構図が見られる“別分野”の例

せっかくなので、教育やビジネス以外でも「常識が変わりつつある」「世代間のギャップが露呈する」事例をいくつか挙げよう。事実確認が必要な“でっち上げ”は避けるが、一般的な動向として広く知られる話なら、そこまで問題ないだろう。

◇6-1. スポーツ界での「根性論」と「新世代の感性」

スポーツ界でも、昭和の時代は練習中に水を飲むだけで「根性が足りない」と怒鳴られた。でも今は「水分補給は必須」という科学的根拠が確立して、むしろ飲まないと指導者が怒られる。
ただ、それでも「練習中にスマホを触る選手がいる」とか「自主的にトレーニングしないと怒られるのはパワハラだ」とか、新しい世代のスポーツ選手が従来の常識をバッサリ切り捨てるケースも出てきた。
もちろん、それで成果を出す選手もいれば、まったく努力せずに伸び悩む選手もいる。結局は「時代の流れに合った合理的な指導」と「新世代のモチベーション」をどう接続するかが問題だろう。
ここにも「昔ならあたりまえだった常識が、新世代には非常識」となる構図がある。

◇6-2. オタク文化での“壁”の崩壊

ひと昔前、アニメ・漫画・ゲームといった分野は“オタク”と呼ばれ、やや閉鎖的なコミュニティだった。ところが近年では、SNS上でオタク文化が拡散し、アイドル的コンテンツも大衆化している。
「オタクには独特のマナーやリテラシーがある。ところが新規ファンが一気に流れ込んで、“古参”が嫌がることを平気でやるケースが増えた」という話を耳にすることがある。
これだって「過去に培われた常識が、新規にとっては『え、そんなルールあったの?』」ってやつの典型。あまりにもルールや配慮が暗黙の了解で語られるので、後から入ってきた人には「なんでこれで怒られてるのかわからない」状態になる。
まさしく世代間ギャップに近い現象だ。学級崩壊とも似たような構造で、ルールの存在が不透明なら崩壊も起こりやすいし、本人に悪気があるかどうかも判断しにくい。

◇6-3. 恋愛・結婚観の大転換

「最近の若者は結婚しない、恋愛しない」と言われ始めて久しい。実際に晩婚化や未婚率が上がっているのは統計でも明らかだ。これを「精神的に幼いから結婚の責任を負えないのだ」と断じる人もいれば、「そもそも経済的に安定しないし、長時間労働で恋愛や結婚の余裕がない」という現実論を挙げる人もいる。
また、ネットで出会うのが普通という感覚の若者も多く、従来の「合コン→告白→結婚」というテンプレが通用しなくなってる面もある。
ここでも「昔は当たり前」と思われていた価値観が揺らぎ、そこについていけない大人が若者を「幼い」「無責任」と見る一方で、若者は若者で「そっちこそ古くない?」と思っている。要するに、別分野でも同じような“当たり前の崩壊”が起きているわけだ。


【第7章】結局どうすればいい? 3つの提案

ここまでで「今は世代間ギャップや常識の揺らぎがいろんなとこで起きてるんだな」というのは見えてきた。とはいえ、問題は「じゃあ、どうすればより建設的に共存できるか」だろう。以下、3つの提案をまとめておく。

◇7-1. 教える側が「常識なんて通じない」と腹をくくる

先生も親も、企業側の採用担当も、「普通に考えたらわかるでしょ」などと言う前に、「相手はそれを教わってないし、興味もないかもしれない」と考えるところから始める。
今までなら経験や世間の空気で自然に身についていたことを、ゼロから言語化して教えないと伝わらない。これをめんどくさいと思うか、新しい教育チャンスだと思うかで、結果は大きく変わる。
具体的には「競合他社で働かれるとこういうリスクがあるよ」「行事に参加しないと友達づきあいでこういうデメリットがあるよ」と、相手が納得いくように説明すること。さすがにそれでも聞かないなら解雇や退学もあるかもしれないが、最初から「バカだな」で終わらせないのがポイントだ。

◇7-2. 若者や子どもの自主性をバカにしない

一方で、いくら社会性やTPOが欠けているように見えても、その若者や子ども自身が「こうしたい」という意思を持っているなら、それを無視して大人が一方的に押し付けるのは時代遅れだろう。もちろん危険行為や法律違反は論外だが、単に「それ常識的にどうなの?」と感じる程度の行動に対しては、どうしてそう考えるのかを聞く価値がある。
もしかしたら、そこには新しいビジネスチャンスや教育プログラムを生み出すヒントがあるかもしれない。Z世代の柔軟な発想やコロナ禍以降の生活様式を逆手にとって、従来にはなかった価値を作り出す可能性はある。

◇7-3. 「痛みを引き受ける覚悟」を共有する

子どもを成長させるために「痛みや失敗を経験させる」ことを重視すると言ったが、それは指導する大人も痛みを引き受けるということでもある。子どもが失敗して問題を起こせば、大人も対処しなきゃいけないし、周囲に頭を下げるかもしれない。
企業で言えば、「常識破りの新人を雇うとリスクもあるが、新しいアイデアや刺激も得られる」と腹をくくること。万一、大失敗があったときの損害をカバーできる仕組みや、情報管理の体制を整えるのも大事だ。
昔よりも“痛み”のリスクは増えたかもしれないが、「それを避けてばかりで何も育たないよりはマシ」という考え方もある。どうせ変化は避けられないなら、多少は痛みを伴っても前に進めたほうが得策だという発想だ。


【結論】「時代が変わった」の一言で終わらせない

「最近の子どもは本当に幼いんだろうか?」「Z世代はそんなにぶっ飛んだ存在なのか?」という問いに対して、答えは一筋縄ではいかない。確かにコロナ禍やネット社会が原因で“社会性を学ぶ機会が減っている”という面はあるだろう。一方で昔から「非常識」な人はどの世代にも一定数いて、ただ目立たなかっただけかもしれない。

大事なのは、「常識がどんどん変化している」という認識を前提に、どう共存するかだ。

  • 「あれもダメ、これもダメ」と縛るだけでは、若者は成長しないし、逆に萎縮したり抵抗感を強めるかもしれない。
  • 同時に「全部自由だよ」と放置すれば、社会性が育たず、トラブルの連発で結局自分たちも損をする。

要は「昔ながらのやり方では通用しない」と知ったうえで、ルールを明文化したり、チャレンジさせる環境を作ったり、ときに痛みを覚悟して突き放す必要がある。学校や会社が“育てる”という発想を捨て、「いっしょに新しい常識を模索していく」というスタンスでいるのがベストだろう。

「最近の子どもは…」「Z世代は…」と嘆くのはある意味、昔からの恒例行事だ。しかし、今は世界規模で大きく価値観が揺らぎ、ハードルも下がり、境界線もあいまいになっている。だからこそ、単に批判するだけではなく、その背後にあるものを探り、一緒にアップデートしていく姿勢が求められている──そんな感じだろう。

要するに、

「旧来の常識」が機能しない世の中が訪れつつある。
だったら、どう変えていくか、どう共存していくかを考えたほうが建設的だ。

そのヒントは、「子どもや若者の行動が幼く見える背景は何なのか?」「なぜ同業他社に堂々とエントリーしてくるのか?」をいったん興味を持って観察することにある。あるいは、お互いを追い詰めるのではなく、新たな価値観をすり合わせて“ちょうどいい塩梅”を模索し続けることにあるのかもしれない。

「要はこういうことなんだよ」とぶっちゃけるならば、既存の当たり前に囚われてるほうが、今後はむしろ不利だってこと。幼さが目立つ子どもや非常識に見えるZ世代をどう扱うかを考えるのは、同時にこちら側が未来の社会をどうアップデートするかを考える作業でもある。そこに気づけるかどうかで、ただの“愚痴”が“イノベーション”のタネに変わるかもしれない──そう思ったほうが、ちょっとワクワクしないか?

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投稿者プロフィール

そうた
そうた社会を静観する人
近況:Netflix, ゲーム, 旅, 趣味の日々。

■趣味
読書, 映画鑑賞, 音楽, 旅行

■ビジネス歴
・2011年9月頃にオンラインビジネスに参入
└ブログ, SNS運用, YouTubeなどの各ジャンルを経験

・オンラインビジネスチームへの参画
└各プロモーションのディレクター兼コピーライター,
 他社へのコンサルティングなどを経験
└他社とのジョイントベンチャー(共同事業)
└海外スタートアップへの参加(コミュニティマネジメント, コピーライター)

■現在
・オンラインスクールの運営
・個人, 法人向けのマーケティング, 商品開発等のサポート

■考え方
バイト, 会社員, フリーランス, 経営者...などの働き方を経験した結果,
「群れるより1人で稼ぐ方がストレスが無い」と気づく。
現在は集客, 販売, サービス提供を仕組み化(自動化)。

■活動目的
「自由な人生を実現したい」
「ネットビジネスに興味がある」
「始めたけど結果が出ない」
という人へ最適解を提供。

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