経済・社会

「アガリクス神話」に学ぶ、騙されないための情報リテラシー

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はじめに:苦しむ人を飲み込む「藁にもすがる思い」の構造

がんや難病など、医療の最先端をもってしても「治療が難しい」とされる病気に直面すると、多くの人は絶望に押しつぶされそうになる。主治医から「厳しいかもしれない」と言われれば、ほんのわずかでも可能性があるものに飛びつきたくなるのは自然な心情だろう。
「アガリクスでがんが治る」「民間療法で劇的に回復した」といったセンセーショナルな文言は、まさにこうした“追い込まれた心理”につけこみやすい。実は昔から同じ構図が何度も繰り返されていて、気がつけばコロナ禍においても似たような話が跋扈していた。
なぜこんなにも“ウソっぽい”治療法やサプリメントが、時代を超えて受け入れられてしまうのか? そこには人間の心理的な盲点や、医療リテラシーの欠如、さらに“権威者”の名前を使った巧妙なマーケティングが渦巻いている。

この記事では、過去に「アガリクスでがんが治る」という大ブームがあった事例を軸にしながら、そこに見られる構造をできるだけ俯瞰して整理してみたい。本文中には、他分野の似た話題も参照する。
結論からいえば、これらの民間医療の闇は“いつか終わる”どころか、今後も形を変えて繰り返されるだろう。どんなに社会が進歩しても、人間の内面に巣くう「不安」と「希望」を利用するビジネスが成立する以上、根絶は難しい。それでも、僕らがいま何を学ぶべきかを考えることは必要だ。


1. 「アガリクスでがんが治る」ブームの背景

1-1. 90年代~2000年代の“健康ブーム”とサプリ商法

日本においてアガリクスが有名になったのは、1990年代後半から2000年代前半にかけて。新聞広告や週刊誌の見出し、そして書籍がズラリと並ぶようになった。
「○○が末期がんから生還した」「がん患者がアガリクスを毎日飲んで奇跡的に快復」といった“体験談”があちこちで紹介されたが、のちに多くがライターによる捏造だったと発覚している。

当時は今ほどインターネット検索が発達しておらず、書籍や雑誌の情報を鵜呑みにする人が多かった。さらに“サプリブーム”という土壌があり、「天然成分なら体にやさしい」「自然由来なら副作用がない」などのイメージが広がっていた。そうした健康志向の高まりに乗じて、アガリクスのようなキノコ系サプリや、ほかの民間療法がブーム化していった。

1-2. 大学教授など“権威”を利用した信頼獲得

さらにアガリクスを売る企業や団体は、「○○大学の教授が推薦!」という形で学者の肩書きを全面に押し出した。これはかなり効果的だったようで、多くの人が“大学教授が言うなら嘘ではないだろう”と信用した。
実際には、金銭的報酬と引き換えに名前を貸した学者もいたと言われる。もしかすると、本人がそこまで深く考えずに承諾したケースもあったのかもしれないが、結果的に「アガリクス=医学的に効果があるかも」という誤解を生んだ。

ここで見えてくるのは、**「権威ある肩書きへの無条件な信頼」**という構図だ。人間は博士号や教授職といったステータスに弱い。だからこそ、「医師や研究者がそう言っているなら間違いないだろう」と思い込みやすくなる。だが、残念ながらそうした立場の人間が“ウソ”や“過剰宣伝”に加担することは、過去にも例は少なくない。

1-3. なぜウソが広がり、それでも売れ続けたのか

周囲から見れば「そんなのウソに決まってるじゃん」と思える書きっぷりでも、当事者は必死で情報を求めている。「もし本当に効くなら、試さない手はない」と考えれば、疑わしいと思いつつも最後の望みに賭けたくなるのが人情だ。
この“わらにもすがる思い”が、ウソまがいの健康商品を支える大きな要因になる。結果的に、高額サプリを買い続けることで家計を圧迫したり、標準治療を避けてしまい病状を悪化させるケースもあったとされる。


2. がん治療における「標準治療」への誤解

2-1. 副作用のイメージが強い

抗がん剤や放射線治療には厳しい副作用がある場合が多い。それ自体が患者にとって恐怖であり、「治療のためとはいえ、苦しみ抜くなんて嫌だ」という感情が芽生えるのは無理もない。さらに手術で身体の一部を切除する場合も少なくない。
一方、「自然由来のアガリクスなら苦しまなくて済むかもしれない」「がんを切らずに治せるかもしれない」という幻想が、当時も広く信じられた。これが民間療法を選ぶ大きな動機となっている。

2-2. “巨大な医療ビジネス”への嫌悪感

製薬会社の利益追求型のビジネスモデルに対する反感や、「医療業界は金儲けのために患者を食い物にしているんじゃないか?」といった疑念もある。実際、医療機関や製薬会社が大きな利潤を得ることは事実ではあるが、ここを根拠に「だから西洋医療は信用できない」と一括りにしてしまうのは乱暴だ。
さらに、陰謀論的なトーンで「製薬会社が本当の治療法を隠している」などの説を唱える人もいて、それが“脱・標準治療”への意欲を煽ってしまう。

2-3. 標準治療は“膨大な犠牲”を積み重ねた結果である

しかし、標準治療というのは無数の臨床試験と研究の積み上げによって「いまの時点で最も成功率が高い方法」「副作用と効果のバランスが合理的に取れている治療」を示したものだ。完璧ではないとしても、科学的な根拠や多くのデータに裏付けられている。
つまり、過去に多くの患者や研究者が試行錯誤してきた結果、最適解とされる治療法が“標準治療”として確立されている。これを「そんなものインチキ」と切り捨てて、未検証の民間療法に飛びつくのは、先人の叡智をドブに捨てるようなものだという意見も根強い。


3. “希望バイアス”と人間の心理的脆さ

3-1. 追い込まれれば冷静な判断ができない

「がんの宣告」は人生の中でも最も衝撃的な場面の一つだ。仕事や家族のことを考えても、“死の恐怖”だけでなく、多くの不安要素が一気に襲ってくる。そんな極限状態では、正常な判断力を保つこと自体が難しい。
ここで“奇跡の治癒”をうたう情報を目にすると、人間は藁にもすがるような気持ちになる。普段なら「どうせウソだろ」と笑い飛ばせる話でも、切実な状況になると「でも、もしかしたら…」と期待せずにいられない。

3-2. 権威への盲信

もうひとつの心理的落とし穴が「肩書きや権威に弱い」ということ。大学教授や医師、研究機関の名前が出ていると、それだけで一気に信頼度が増す。
騙す側はこれをよく知っていて、雑誌広告などで「○○大学名誉教授も推奨!」「医師が太鼓判!」といったキャッチコピーを使う。中身をよく見ると、医師や教授がどの分野の専門家なのか不明瞭だったり、そもそもまともな研究に基づいていないケースも多々ある。

3-3. 周囲の意見が見えなくなる“同調バイアス”

家族や友人から「そんなの信じるな」と言われても、患者や当事者は“もうこの道しかない”と固執することがある。さらに、同じ境遇の患者同士で「私もアガリクスを試している」という話が広がれば、一種の“同調バイアス”も発生しやすい。
SNSが普及した現代では、同じ境遇の患者コミュニティの存在感が大きい。“みんなが良いと言っているなら間違いない”という認知バイアスが働き、ますます客観的な判断が難しくなる。


4. コロナ禍で再燃した「専門家の権威の貸し方」問題

4-1. ワクチン推奨派・否定派どちらにも“金目当て”はいた

コロナ禍で一気に注目されたのがワクチンや治療薬の情報だ。テレビやSNSでさまざまな専門家が「打つべき」「打ってはいけない」と真逆の主張を繰り返し、混乱した人も多いだろう。
問題は、そこに本当に科学的根拠やリスクベネフィットの考慮があったのか、あるいはメディア露出やビジネス的な打算で発言していたのか、見極めが難しかったことだ。中には「どちらの立場でも出演料をもらっていれば発言内容が変わったかも」と疑いたくなるケースも存在した。
“学者や医師が言っているから正しい”とは限らない。これがコロナ禍で改めて露呈した現実だ。

4-2. デマや怪情報がSNSで瞬時に拡散する

アガリクス全盛期のころは、情報発信手段が本や雑誌、新聞広告などに限られていた。しかし現在はSNSという拡声器がある。わずか数秒で、数万人に向けて発信が可能になり、拡散力は桁違いだ。
もちろん、それによって正しい情報も得やすくなった反面、デマや陰謀論的主張もあっという間に広がる。
たとえば「コロナ後遺症に効くサプリ」だとか「免疫を高める○○療法」なんてものが続々と出てきている。これらの宣伝が十分な検証もされずに広まっているのは、まさにアガリクス騒動のデジャヴともいえる。


5. 宗教・霊感商法との類似点

5-1. “奇跡の効能”を売る手口

昔からオカルトや宗教的アプローチで「お札を買えば病気が治る」「念を送ればがんが消える」みたいな話は絶えなかった。アガリクスの事例は“自然由来”という科学的風味をまぶしていただけで、本質的には「奇跡の効能を販売」している点で似ている。
実際に、医師から「治療は難しい」と言われてしまった患者や家族にとって、藁にもすがる気持ちで“奇跡”を求めたくなるのは当然だろう。そこに「高額なお布施」や「サプリの定期購入」を絡めればビジネスとして成立する。

5-2. “信じている人”を頭ごなしに否定するのは難しい

霊感商法でも民間療法でも、すでに信じ込んでいる人に対して「そんなの詐欺だよ」とストレートに言っても、あまり効果は期待できない。むしろ「あなたにはわからない」「私は救われた」という感情的な反発を生むだけだ。
ここが一筋縄ではいかないところで、“信仰”や“思い込み”は理屈ではね返せないほど強固な場合がある。だからこそ、“騙すビジネス”を成り立たせてしまう土壌が、いつまでも残ってしまう。


6. 他分野にも見られる“魔法の解決策”幻想

ここでがん治療だけを槍玉に挙げても不公平かもしれない。他にも似たような“魔法の解決策”商法は山ほどある。たとえばダイエット業界。
「このサプリを飲むだけで痩せる」「どんなに食べても太らない体質になれる」など、怪しげな謳い文句はいまだに消えない。もちろん、しっかりとした理論と安全性が証明されたダイエット商品もあるが、うさん臭い売り方が横行しているのも事実だ。
ここでも、“人々の苦しみ”や“願望”を逆手にとったビジネスが成立している。がんの場合と同じで「試してみる価値があるかもしれない」と思わせる一瞬の“希望”が、膨大な市場を支えているのだ。


7. 「騙す」ことは本当に悪なのか?

7-1. 「幸せに逝けたのならいいじゃないか」という意見

なかには「現実を知らされて絶望するより、何かにすがっていたほうが心が安定する。騙されていたほうが幸せな場合もあるんじゃないか」という考え方もある。特に、末期患者の中には「期待を胸に抱いたまま逝きたい」という人もいるかもしれない。
ただし、その“まやかし”に数百万、数千万という大金を費やしたり、痛みを伴う治療を放棄してしまって命を縮めるリスクがあるなら話は別だ。家族が苦しい家計を切り詰めて買っていたケース、標準治療を受けずに手遅れになってしまったケースなど、悲劇的な例は現実に存在している。

7-2. “良心的な嘘”と“金もうけの嘘”の違い

一部の民間療法の中には、価格が安く副作用もない範囲で「本人の気休めになればいい」と提供されているものもある。そういったケースは“本人が納得しているなら”大きな害はない場合もある。
しかし、アガリクスのように高額商法であったり、研究者の推薦を捏造したり、本来の治療を遠ざけてしまうようなやり方は問題が大きい。ここには明確に「金もうけ優先」や「人の弱みに漬け込む」悪意が感じられる。人道的に見て決して看過できないだろう。


8. メディアリテラシー・医療リテラシーが問われる時代

8-1. インターネットの普及がもたらした光と影

現代はネットで検索すれば、さまざまな疾患や治療法、体験談を簡単に見つけられる。患者同士のコミュニティも活発で、助け合いが進んだというポジティブな面もある。
だが同時に、SNSを中心にデマや怪情報が爆発的に広がるスピードも上がった。コロナ禍ではそれが顕著に表れた。「これを飲めば後遺症が消える」「ワクチンにはとんでもない陰謀が…」といったセンセーショナルなネタが連日飛び交っている。

8-2. 自分で調べることの限界

いくら“自分で調べること”が大切と言っても、専門的な論文を読んだりデータを解析するのは簡単ではない。さらに、健康を害している人は体力や時間的余裕もない場合が多い。
ネットで「効果あり!」と書かれているからといって飛びつくより、信頼できる医療者や公的機関の情報を確認する、複数の意見を突き合わせるなど、慎重さは必要だ。

8-3. 権威の必要性と危険性

結局、人間は“誰かを信用しないと生きていけない”とも言える。医療リテラシーが高い人でも、すべてを自分で完璧に検証することは不可能だろう。
だからこそ、信頼に足る専門家や媒体を見極める目が大切になる。逆に“権威”に依存しすぎると、悪意ある権威者に騙されるリスクもある。この“危うさ”を常に意識しておくことが、情報社会を生き抜くうえで不可欠な態度だ。


9. 似た問題の構造:ダイエット、投資、ビジネスセミナー…

ここでひとつ、まったく別分野の具体例を挙げよう。たとえばビジネスセミナー
「この方法で簡単に月収100万円!」「たった1か月で売上が激増!」なんてコピーをよく見かける。本当に稼げるノウハウがあれば皆が成功しているはずだが、実際にはそんな甘い話はそうそうない。
しかし、会社の業績が落ち込んだり、個人が生活に困っている状況だと「これだ!」と藁にもすがる気持ちで高額セミナーに参加し、多額の受講料を払ってしまうことがある。実際には内容が薄く、講師が大げさに成果を謳っているだけというケースが後を絶たない。
これも結局、「困っている人が飛びつく」という構造が利用されているわけだ。がん患者がアガリクスにすがる心理と、経営に追い込まれた人が怪しいビジネスセミナーに飛びつく心理は、根っこではかなり似ている。


10. 「騙されない」ために今からできること

10-1. 自分が“弱い立場”にいるときほど気をつける

病気や経済的な困窮など“切羽詰まった状態”にいるときほど、派手な宣伝や魅力的なコピーに目が奪われやすい。だからこそ、自分がそういう状況に陥ったと感じたら、一度立ち止まる意識を持つことが必要だ。
「これはもしかして、弱みを突いてくる商法じゃないか?」というアンテナを立てるだけでも、多少は被害を避けられるかもしれない。

10-2. “疑ってかかる”姿勢もときには大事

日本社会では「疑うことは悪」という風潮があるように感じるが、情報があふれる時代だからこそ、疑問を持つことを恥じる必要はない。「本当にその大学教授は専門分野ががん治療なのか?」「その研究結果はどの程度信用できるものなのか?」など、少しでもチェックしてみるだけで随分違う。
アガリクスに限らず、“何かを売りたい”側は積極的にメリットを強調する一方、デメリットや科学的根拠のあいまいさは隠したり小さく扱うものだ。そこを見抜く冷静さを忘れないようにしたい。

10-3. 周囲の声を聴く、専門家のセカンドオピニオンを取る

強い思い込みの渦中にいると、周囲の意見に耳を塞ぎがちになるのも事実だ。それだけに「家族や友人、あるいは専門家のセカンドオピニオンを求める」ことは大切だ。
がんの治療方針についても、担当医と話し合ったうえで、別の病院の医師に意見を聞くことが推奨されることが多い。これは民間療法とて同じで、「別の専門家はどう言っているのか?」を複数の角度から確認することで、盲信を防ぎやすくなる。


11. この話から得られる気づき

  1. 人は不安に陥ると、冷静さを失ってしまう
    これは誰にでも起こり得ることで、“あんなものに騙されるやつが悪い”と切り捨てられるほど単純でもない。
  2. “権威の名前”や“煽り文句”は思った以上に強い影響力を持つ
    ただの一文「○○大学教授推奨!」で、人はコロッと信じてしまうことがある。
  3. 標準治療のメリットとデメリットを正しく理解することが第一歩
    副作用などのデメリットばかり耳にするが、実はそれを上回るメリットや根拠があるからこそ“標準”になっている。
  4. 今後も似た構造の“民間療法ビジネス”は確実に出現し続ける
    コロナ禍でも見てきたように、世の中が混乱しているときほど儲かるのが“不安ビジネス”。これは残念ながら鉄板だ。
  5. 最終的には、自分や家族を守るために「情報リテラシー」を高めるしかない
    社会がどんなに啓発活動をしても、鵜呑みにする人は一定数いる。だからこそ、一人ひとりが「いい話ばかりの情報には裏があるかもしれない」と疑う習慣を持つ必要がある。

12. 結局、同じ悲劇を繰り返さないためには?

  • 誰かが「この療法ですべて解決!」と謳っているとき
    科学的根拠や実データ、倫理的な問題点を確認する。
  • 医療に限らず、“魔法のような解決策”には慎重になる
    ダイエットや投資など、多くの人が悩む分野には“救世主ビジネス”が常に潜んでいる。
  • 周囲の冷静な人の声に耳を傾ける
    特に深刻な状況のときは、自分で気づけないほど視野が狭くなりがち。
  • 権威者や“専門家の意見”も丸呑みせず、少なくとも2つ以上の情報源をチェック
    同じ分野でも専門家によって見解が分かれることは珍しくない。だからこそ一人の権威者を崇めるのは危険。

13. おわりに:真に必要なのは“仕組み”よりも“理解”

アガリクスブームから数十年経った今でも、がんや難病をめぐる“民間療法ビジネス”は絶えない。それどころか、コロナ禍の混乱で“新しい怪しい療法”がいくつも生まれたように見える。
要は、人間の「不安」と「希望」の間隙を突くビジネスモデルは、構造的にいつまでも存在するということだ。
そこで一番大事なのは、「みんなが落ち着いて考えられる土台をどうつくるか?」という点。医療リテラシーや情報リテラシーを学校教育やメディアを通じてもっと根付かせる必要があるし、何よりも自分たち自身が“疑う力”を持つことが不可欠になる。

「やっぱり“標準治療”って、それなりに理由があって標準になってるんだよな」という当たり前のことを、なかなか受け止められないのが弱ったときの人間だ。
だからこそ、そういう状況に陥ったときには、“冷静なサポート”をしてくれる専門家や信頼できる友人、家族の存在が大きくなる。独りで闇雲に検索して自己流の判断をするよりも、少しだけ一歩下がって相談する。その勇気が悲劇を防ぐ鍵になるかもしれない。


【最後の一言】

要はこういうことだ。人間は弱い存在で、絶望の淵ではどんな可能性にも飛びつきたくなる。だからこそ、情報を受け取るときには“なぜそう言い切れるのか?”“その根拠はどこにあるのか?”を問いかけるクセを持った方がいい。
まやかしの情報や怪しい権威に踊らされて、人生最後の時間を無駄に消耗するのは本当に悲しい話だ。
「希望を抱きたい」という心情は否定しない。しかし、その希望を他人の金儲けの手段に利用されないようにするには、僕ら自身の“認知と学習”が不可欠だ。

同時に、周囲で追い込まれている人を見かけたら、頭ごなしに「そんなのやめろ」と否定するだけでは逆効果になることもある。大切なのは「なぜその方法を選びたいと思うのか?」を一緒に考え、情報を一緒に整理するプロセスだろう。
そうやって丁寧に寄り添い合うことで、少しでも“ヤバい話”から救い出せる可能性が上がる。結果的に、同じような悲劇を繰り返さずに済むかもしれない。

民間療法の闇や「アガリクスでがんが治る」のような誇大宣伝が今後もしぶとく生き残るのは事実だが、そのたびに「またかよ」と見て見ぬふりをするのではなく、一度立ち止まって“構造”を見抜く目を養う。そうすれば、少なくとも自分や身近な人が被害に遭う確率はグンと減るはずだ。

これが、“希望バイアス”が渦巻く世界に飲み込まれないための、ささやかなヒントになることを願っている。

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投稿者プロフィール

そうた
そうた社会を静観する人
近況:Netflix, ゲーム, 旅, 趣味の日々。

■趣味
読書, 映画鑑賞, 音楽, 旅行

■ビジネス歴
・2011年9月頃にオンラインビジネスに参入
└ブログ, SNS運用, YouTubeなどの各ジャンルを経験

・オンラインビジネスチームへの参画
└各プロモーションのディレクター兼コピーライター,
 他社へのコンサルティングなどを経験
└他社とのジョイントベンチャー(共同事業)
└海外スタートアップへの参加(コミュニティマネジメント, コピーライター)

■現在
・オンラインスクールの運営
・個人, 法人向けのマーケティング, 商品開発等のサポート

■考え方
バイト, 会社員, フリーランス, 経営者...などの働き方を経験した結果,
「群れるより1人で稼ぐ方がストレスが無い」と気づく。
現在は集客, 販売, サービス提供を仕組み化(自動化)。

■活動目的
「自由な人生を実現したい」
「ネットビジネスに興味がある」
「始めたけど結果が出ない」
という人へ最適解を提供。

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