「儲かる」「稼げる」といった言葉は、一時的な注目を集めるものの、期待外れに終わった場合のリスクは大きい。長期的なブランドを築くには、より高次元の欲求を満たすベネフィットの提供が不可欠だ。
「思想を深める」「AI時代に適応する考え方を身につける」といった長期的な視点を持つことは、まさにそのための基盤となる。
上記趣旨のポストを見かけた。
確かに、稼ぐ・儲かるといったある種「直球」のベネフィットは、外れた時の悪影響が大きい。
だからこそ、「思想」や「人間力」などより高次なベネフィットを掲げる、というのはわかる。
ただ、大抵の大衆は短期的な目標「痩せたい・儲けたい・モテたいなどのまさにマズローの欲求説に当たりそうなもの」に目が行きがちだから、どうコントロールするかが気になる。
「o1 pro」に聞いてみた。
o1 proの回答
「より高次のベネフィットを掲げる」とはいえ、現実的には大衆が強く反応しやすいのは「短期的ベネフィット」(痩せたい・儲けたい・モテたい等)ですよね。
ここが実務上のジレンマでもあります。
結論としては「短期的ニーズに応えつつも、長期的なビジョン・思想を感じさせる」二段構えのコミュニケーションが重要です。
以下、ポイントをいくつか整理してみます。
1. “短期的にわかりやすい成果”と“長期的な思想”の共存を設計する
- 短期的な成果も示す
大衆が強く反応するのは「痩せられる」「儲けられる」など、生活に直結する即物的メリットです。
まったく触れないと見向きもされない可能性が高いため、適度な言及は必要。
例)「習慣づくりや効率化のメソッドを活用すると、30日で○kg減量に成功した実績があります」など。 - 長期ビジョンや価値観で“上書き”する
ただし短期成果だけを“ど直球”で押し出すと「儲からなかった/痩せなかった/モテなかった」時にディスブランディングになるリスクが大きい。
そこで「短期的成果を獲得した後に、どのような未来や価値観が得られるのか」をセットで提示し、「短期的成果は、人生の大きな目標のごく一部である」という位置づけにする。
2. “ベネフィット・レイヤー”を分けて伝える
ブランド戦略では「ベネフィットの階層構造(ベネフィット・レイヤー)」を意識すると整理がしやすいです。
- ファンクショナル・ベネフィット(機能的恩恵)
- 例:ダイエットなら「体重が落ちる」、投資スクールなら「資産が増える」など。
- エモーショナル・ベネフィット(感情的恩恵)
- 例:自分に自信が持てる、生活に余裕が生まれる、他者と比較しなくなる、等。
- セルフエクスプレッシブ・ベネフィット(自己表現的恩恵)
- 例:自分のアイデンティティや思想が確立される、所属コミュニティの価値観に共感して自分もその一員と誇れる、等。
多くの人は「機能的恩恵」に最初に惹かれますが、長期的なブランドを育てるなら、エモーショナル→セルフエクスプレッシブの順にステップアップさせるようにコミュニケーションを組み立てるのがおすすめです。
3. コミュニティ・ストーリーテリングを活用して「思想」を日常化する
- コミュニティで“行動”を共有する
たとえば「AI時代に適応できる人材になるための考え方を身につけよう」というブランド思想がある場合、ユーザ同士がその実践を共有し合えるコミュニティを作ると良い。
日々の成功・失敗のシェアを通して“思想”を持続的に体感できる環境を整える。 - ストーリー(物語)でブランディングする
ブランドの根底にある思想・価値観を、“一貫した物語”として伝えることで、短期的成果のメッセージと混ざっても軸がブレにくくなる。
例)「結果はもちろん大事。でも、そのプロセスを通じて得られる心の成長こそが私たちが目指すものだ。その先にあるのが、AI時代をサバイブできる新しい価値観」といった物語を掲げておく。
4. “短期的メリット”に過度な期待値を与えすぎない
- “可能性”止まりの提示
「絶対儲かる」「必ず痩せる」と言い切るのはリスク大。短期的メリットは「成功事例の共有」「○○%の人が達成した」など“可能性”として提示し、過度なコミットは避ける。 - 数字や証拠(エビデンス)で裏づける
社会的証明や具体的な事例を提示すると、期待値コントロールがしやすい。「絶対うまくいく」より「これだけの人が一定の結果を出している」という方が信頼度が高く、過剰な“期待爆発”を抑えられる。
5. “ロイヤルカスタマー”が育つまで地道に続ける
大衆に向けて短期的メリットだけを訴求すると、その分だけ**「勝ち馬に乗りたい」人が大量に流入→成果が出なかったら一気に離脱**というパターンが生じやすいです。
一方で「思想」や「価値観」に共感したユーザは、多少成果が遅くてもブランドのコミュニティに残りやすく、結果的にロイヤルティを高めてくれます。
したがって、短期的な施策を繰り返しつつも、思想をブレずに発信し続けることで、徐々に“本当に合う顧客層”を育てていくのが長期的には理想的です。
まとめ
- 短期成果を示しつつ、長期ビジョンを“セット”にして語る。
- ベネフィットを階層化し、最終的には“思想”や“セルフエクスプレッシブ”の領域へ導く。
- コミュニティやストーリーテリングを活用して、思想を日常化・共感化する。
- 短期的メリットを煽りすぎない(期待値コントロールを忘れない)。
- ロイヤルユーザが育つまで地道に続ける。
結局、「短期的成功はゴールではなく手段」と定義づけ、それを支える大きな思想やビジョンを持ってブランドを運営し続けることが、ディスブランディングを避けながら大衆を巻き込みつつ長く愛されるブランドを作る道と言えます。
私:
ありがとう。この手の話の影響を特に受けるのは、まさしく「稼ぐ」と言うことが目標になる副業やWebマーケティング系の発信だと思うのね。
Webマーケティングは集客やら顧客教育やらかっこいい言葉を使ってなんとなーくぼやけるけど、要はその事業で儲けたいから集客もするし顧客教育もするわけじゃない?
で、そういった副業やネットビジネス的な発信をする時に、今回の話はどのように反映されるのか、気になるかな。
o1 proの回答
副業・Webマーケティングのように「稼ぐ」ことが主目的になりがちな領域においては、どうしても「○○円稼げる」「××人が成果を出した」みたいな“金銭的ベネフィット”が前面に出がちですよね。
だからこそ、今回の話(“短期的メリットを必要以上に煽らず、高次の思想や価値観を組み込む”)をどう反映させるかが重要になります。
1. 「金銭的成功」の先にあるビジョン・ストーリーをセットで語る
- 金銭面での成果は“手段”に位置づける
- 「月○万円を稼ぐ」がゴールのように見せると、そこに到達できなかった人が“手のひら返し”で離脱したり、クレーム化する可能性が高くなります。
- そこで「ビジネスで稼げるようになることで、どんな未来が手に入るか」を同時に示す。たとえば「家族との時間を増やせる」「自分らしい働き方を選択できる」など。
- あなた自身の“思想”や“生き方”を発信する
- 「自分のビジネスを持つことで、人生の主導権を取り戻す」「お金を稼いで世の中に価値を還元する」など、“稼ぐ”を超えた想いや信念をストーリーとして伝える。
- こうすることで、稼げる・稼げないの結果だけではなく、何を大事にするビジネスなのか、どんな価値観があるのか、という軸ができあがり、ユーザーとの関係性が深まる。
2. “短期成果”を示す際の期待値コントロール
- 『稼ぐ=すぐ儲かる』のニュアンスを抑制する
- 「3ヶ月で月収100万円」というフレーズは、マーケティング的に刺激が強く、集客力が高い反面、達成できなかった場合の反動も大きい。
- 「やり方次第では3ヶ月で月収100万円を達成する人もいる。でもベースとしては、半年〜1年は地道に実践する姿勢が必要」という形で“可能性”の提示に留める。
- 成功事例を“ストーリー”で補完する
- 「初月で○万円稼げました!」だけだと“再現性の疑い”が強くなる。
- 具体的に“どんな手順・思考・学び”があったかをきちんと可視化すると、過度に“簡単に稼げる”という印象を与えにくくなる。
- また、「稼ぐ」結果以外にも得たもの(スキルや人脈、視野の広がり等)をストーリーで伝えると、価値観が醸成されやすい。
3. コミュニティや教育設計で「思想や価値観」を根付かせる
- “稼ぐ”ノウハウだけではなく、“学ぶ土台”や“思考方法”を教える
- 例えばWebマーケティングのスキルに加えて、「自分で情報をキャッチアップする方法」「時代のトレンドを読む力」「AIなど新しい技術とどう向き合うか」といった“考え方”をセットで提供する。
- こうした教育は、長期的にユーザーが成果を出せるベースとなり、「◯◯さんのコミュニティだから学び続けられる」「ただの稼ぎテクニックではない」という差別化要因になる。
- コミュニティ内での“成功以外の価値”を可視化する
- 単純に「稼いだ額ランキング」だけが可視化される環境だと、稼げない期間にいる人が居場所をなくしやすい。
- そこで「スキルアップ報告」「人とのコラボ企画が生まれた」「トレンドをキャッチして実験してみたらこんな成果が」など、“行動や変化”にも焦点を当てる仕組みをつくると、思想が根付きやすい。
4. “顧客教育=稼がせる”だけでなく「ビジネスに取り組む姿勢」を醸成
- “学ぶ姿勢”“試行錯誤する力”を育てる
- Webマーケティング手法は変化が激しい。今売れる手法が1年後には通用しないこともある。
- だからこそ、「すぐに儲かるテクニック」よりも「テクニックをアップデートし続けられる自走力」を身に付けることが、長期的には価値を生む。
- こうした“学ぶ姿勢”や“試行錯誤の精神”も顧客教育の一環として位置づける。
- “顧客=自分のビジネス仲間”のような関係性を築く
- 「顧客」ではなく「仲間」として捉え、「一緒に学び、試行錯誤しながら成長していこう」というメッセージを繰り返し発信。
- お金のやりとりを超えて、「このコミュニティは自分にとって大切な居場所だ」と思ってもらえるようになると、短期的成果だけでブランドを評価しなくなる。
5. 地道に“思想・価値観”の発信を継続し、ユーザ層を絞り込む
- “数打てば当たる”発信だけでなく、定期的に“ブランドの核”を発信し続ける
- 「短期的に稼ぐための○○テク」という発信だけだと、フォロワーは“稼ぐテク”だけを目的に集まる層が多くなる。
- 適度にノウハウ系の情報を出しつつも、「なぜ稼ぎたいのか」「稼いだその先になにを作り上げたいのか」など、本質的なメッセージを繰り返し出していく。
- その結果、“思想や価値観に共感してくれる”層が残り、やがてロイヤルファンになる。
- 短期的にモチベーションが下がる人を無理に引き留めない
- 「すぐに稼げないなら辞める!」というタイプの人は一定数いるもの。
- 彼らを無理やり抱え込もうとすると、結果的にクレームやコミュニティの空気の悪化につながることもある。
- あくまで「実践してみて合わないなら、縁がなかったでOK」くらいのスタンスで、コミュニティを健全に保つほうが、長期的なブランドにとってプラス。
まとめ
- “稼ぐ”ことを全面に打ち出すと短期集客には効果絶大だが、同時にリスクも大きい。
- 稼ぐ=ゴールではなく人生やビジネスの選択肢を増やす“手段”という位置づけで語り、思想や価値観をブレンドする。
- コミュニティや教育設計で“学び方”や“アップデートする姿勢”を提供し、成果以外の価値があることを伝える。
- 数だけを追うのではなく、結果として残るロイヤルユーザーとの関係性を大切にする。
副業やWebマーケ領域だからこそ「稼げないと意味がない」「とにかく短期成果が全て」になりやすいですが、長くブランドを育てたいなら稼ぎ自体を“思想”とセットにすることが大事ということですね。
短期的にはノウハウが受けるかもしれませんが、それを支える「なぜやるのか」「どんな生き方を作りたいか」を示すことで、ユーザーとの関係が深まり、最終的には“短期成果が出なかった人”も「このコミュニティで学び続けたい」と思ってくれるようになります。
■追伸:ビジネスを自動化するための無料講座
「ネット集客と販売を自動化するなら, 最低限これだけは知っておきたい」という内容を1冊の教科書としてまとめました。
また, 最近のAIの台頭を受けて, これをどう捉え, どう使うかといった内容も加筆しています。
投稿者プロフィール
-
近況:Netflix, ゲーム, 旅, 趣味の日々。
■趣味
読書, 映画鑑賞, 音楽, 旅行
■ビジネス歴
・2011年9月頃にオンラインビジネスに参入
└ブログ, SNS運用, YouTubeなどの各ジャンルを経験
・オンラインビジネスチームへの参画
└各プロモーションのディレクター兼コピーライター,
他社へのコンサルティングなどを経験
└他社とのジョイントベンチャー(共同事業)
└海外スタートアップへの参加(コミュニティマネジメント, コピーライター)
■現在
・オンラインスクールの運営
・個人, 法人向けのマーケティング, 商品開発等のサポート
■考え方
バイト, 会社員, フリーランス, 経営者...などの働き方を経験した結果,
「群れるより1人で稼ぐ方がストレスが無い」と気づく。
現在は集客, 販売, サービス提供を仕組み化(自動化)。
■活動目的
「自由な人生を実現したい」
「ネットビジネスに興味がある」
「始めたけど結果が出ない」
という人へ最適解を提供。
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